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年末調整とは?
年末調整とは所得税の過不足を精算する手続きの事です。
会社が給与を支払うときに、従業員の給与や賞与(ボーナス)から所得税を徴収することが「源泉徴収」です。
本来徴収すべき所得税の一年間の総額を再計算し、源泉徴収した合計額とあらためて比較し、余分に源泉徴収をしていた場合、その差額は従業員に還付される、という仕組みです。
過不足金が発生する理由
個人事業主やフリーランスの場合には、確定申告で所得の申告手続きをしますが、会社員の場合には所得税は会社が代わって納税しており、給与等から天引きをされます。
しかし、毎月概算で計算されて納付されているため、所得が確定した時点の金額と比較すると過不足が生じることになります。
また、年末までの1年間に給与金額の変更や転職、家族構成の変更などが生じた場合や、給与・賞与からの控除以外で社会保険料や各種保険料を支払っている場合にも、過不足金が発生することがあります。
2016年以降は本格的にマイナンバー記載が必要
2016(平成28)年以降の年末調整からは、対象となる従業員の「マイナンバー」(個人番号)の記載が必要となる書類があります。一定の場合をのぞき、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、給与所得者本人、控除対象配偶者及び控除対象扶養親族等のマイナンバーを書類に記載する必要があります。
年末調整で受けらる控除
住宅ローン控除については初年度のみ確定申告が必要。2回目以降は年末調整で控除できます。
確定申告でしか受けられない控除
年末調整を忘れたらどうなる?
年末調整しなければ控除もされないため、過払いの所得税があっても還付されないことになります。
過払いになるのは所得税だけではなく、住民税(市民税・県民税)は、前年の収入から算出した所得、所得控除、住宅ローン控除などの税額控除に基づいて計算され、翌年納付する制度となっています。つまり、年末調整で控除されなかった場合、翌年6月以降に納付する住民税は高い金額で決定されてしまいます。
還付が発生するのは、源泉所得税額の合計額が実際の所得税額より多い場合だけですので、すべての人が還付を受けられるわけではありません。
したがって、賞与の支払い額が例年より多い場合や、給与の支払い額が大幅に増えた場合、あるいは年度の途中で子どもが就職して扶養親族の人数が減ったような場合は、すでに源泉徴収されている所得税では不足します。
年末調整がされていないと、こうした事態が生じて追徴課税が発生します。
年末調整を忘れた場合の対処方法
対処方法としては、確定申告をする方法があります。
しかし、本来会社で行ってくれる手続きを、別途自身で確定申告をしなければならない手間もかかりますので、忘れずに年末調整をするようにしましょう。