様々な疑問に役に立つ情報をお伝えします。
まず、大きな概念として法定調書というものがあります。これは令和4年1月1日現在60種類あり、その中の一つ、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」が個人事業主にとって重要な書類となります。
支払調書とは、外注などの報酬を払った場合などに企業が作成をする書類です。年間で支払った報酬額や源泉徴収税額を集計した書類のことです。
支払調書の提出範囲
国税庁ホームページより、提出の範囲は下記の通りです。
(1) 外交員、集金人、電力量計の検針人およびプロボクサー等の報酬・料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬・料金、広告宣伝のための賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
(2) 馬主に支払う競馬の賞金については、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた者に係るその年中のすべての支払金額
(3) プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金については、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が50,000円を超えるもの
(4) 弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50,000円を超えるもの
(5) 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
提出範囲の金額については、消費税および地方消費税の額を含めて判断しますが、消費税および地方消費税の額が明確に区分されている場合には、その額を含めないで判断しても差し支えありません。
なお、法人(人格のない社団等を含みます。)に支払われる報酬・料金等で源泉徴収の対象とならないものや支払金額が源泉徴収の限度額以下であるため源泉徴収をしていない報酬・料金等についても、支払調書の提出範囲に該当する場合には支払調書を提出する必要があります。
支払調書の提出方法
企業は年に1回、1月31日までに税務署へ提出する必要があります。
支払調書の提出が求められる理由は、フリーランスなどの個人事業主が正しく税金を申告しているかを税務署が確かめるためです。
報酬を支払う企業に対して支払調書の作成と提出を求めることで、報酬を受け取った個人の申告内容と合っているかを確認します。
源泉徴収票は従業員に対して交付する必要がありますが、支払調書の場合は交付が義務付けられていません。
個人に対して支払調書を交付する場合は、企業側が厚意で発行しているのです。個人事業主の支払調書の提出は義務ですので、企業から送られれてきた支払調書の金額を確認し、帳簿の管理もしておくようにしましょう。
なお、個人が確定申告などで必要な場合は、企業に対して支払調書の発行を要求することができます。
マイナンバーの記載について
税務署側も以前に比べて副業を把握しやすい環境になってきていると言えるでしょう。